自分のやりたいことを仕事にする。そういう家系になってくれたら。

サッカーボール「血よね、血だわ」
という言葉が、夫婦の中でジョークとして流行ったことがあります。鴻上尚史さんのすごく面白いエッセイ集の中で、彼のお母さんがことあるごとにそうつぶやくという愉快な一篇があって、それがとてもおかしくて二人でマネをしていたのでした。

でも本当に、「血は争えないものだなぁ」と僕は思うのです。
僕は大学を出て、コピーライターになりました。遅れること20年ほどした後、弟が突然、脱サラして40代にして小説家になりました。彼が勤めていた小さな出版社で小説を1本出版させてもらうまで、僕は弟が小説を書いていことを全く知りませんでした。彼は大学生の頃から、ずっと小説を書き続けてきたというのです。自称「草小説家」としてやってきたのだと。幸運にも、その処女作が角川書店で文庫化されて以来、彼は小説家としての道を歩んでいます。いまや新潮社や幻冬舎など名だたる出版社でも作品を出させてもらい、文庫化された本も含めると作品は37冊になったと先日、感慨深そうに言っていました。弟が小説になるなんて…。ってか、小説家って普通なれないでしょ! なれないよ!!(笑) それはともかく。結局、兄弟ともに、文章を書く仕事につくことになったのでした。

では、その親はどうだったのか? というと、母親の唯一の自慢が「学生の時に書いた小説がNHKのラジオドラマで放送された」というもの。小説を書いたことはあったらしい。いまも俳句をたしなみ、2度ほど朝日新聞に載ったことがあるので、やはり文才のある女性ではあるようです。

血筋。
血のつながりを、時を経ていく中で感じることとなりました。そして驚くべきことは続きます。3年前、自分の娘も絵本作家としてデビューしました。彼女の個展を見に来た絵本出版社の編集長が、彼女のイラストを気に入ってくれて、まさかの出版へとつながりました。「奇跡」が起こりました。当時はまだ大学院生で、絵本など作ったこともないシロウトにもかかわらず、ストーリーまで自ら書くことが許され、作・画ともに自ら手がけられるという信じられない「幸運」に恵まれました。彼女もまた、書く家系として生き始めたのですね。すでに3作も出版されてます。どんだけツイてるんだ…。いや、努力していることは知っているのでツキだけとは言いませんが^^; ただ彼女にとっては、父、叔父と周りに「文章系」がいたことで、「職業」として書くことのハードルを高く感じずにすむ環境にいたことは幸いしたのかもしれません。

さて。ここで話が終われば、わかりやすいのですが(笑)
そんな「書く家系」の中に、ひとり違う人種が生まれつつあります。弟の次男坊。僕の甥っ子は昨年から、こともあろうに鹿島アントラーズのユースに所属。父親である弟も、その長男もサッカーをこよなく愛し、部活動や草サッカーでサッカー選手としてプレイしているので、彼がサッカー選手を志すことは驚きません。ですが、日本を代表する名門ユースチームに入団というのは破格。あの鹿島アントラーズですからね。入団が決まったと聞いた時、驚きすぎて笑ってしまいました(笑)日本を代表するチームのユースに入れる若者など、ごくわずか。彼の学年であれば、全国からかき集められた少年たちは14人だけでした…。厳しくも、夢のある世界で、彼が自らの遺伝子を覚醒させて、我が家系に、新たな歴史を記してくれるかもしれません。楽しみです^_^

僕にひとつだけ願いがあるとすれば。僕や弟の血脈が、「やりたいことを仕事にする」家系へとつながっていってくれたら…。これほど、うれしいことはありません。極論を言ってしまえば、稼げなくたっていい。楽しく仕事をして、楽しく生きてくれたら。父や叔父としては、もう、それでオッケーちゃうの!と思ってしまいます。自分がそうだからって…という親として無責任のそしりを受けそうですが。それが、ウチの家系ってことで許してつかーさい^^;

仕事は、楽しいことをやったほうがシアワセだぜ。次世代よ、やりたいことをやれ^_^

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