文章力養成コーチ・松嶋有香さん 第1話「強い女の子になろう!」

001 松嶋有香さん 文章力養成コーチ・文章コンサルタント あっちだ!って、光が見えてきた。 

新連載 「ちまたのスゴイひと。」

「この人、ほんとスゴイな!」っていう人、いますよね。有名無名にかぎらず。
僕が運良く出会うことができた、そんな「ちまたのスゴイひと」に、
「どーしてまた、そんなふうになったのですか?」と聞きまくってみる企画。
「こんな生き方もあるのかー!」なんてヒントになったら、とてもうれしいです。

あっちだ!っていう光が見えてきた。


001 松嶋有香 さん

文章力養成コーチ・文章コンサルタント
プロフィール

さて、記念すべき1人目の登場人物は、勝間塾で知り合った教育者、「書きまくるゆか先生」こと松嶋有香(まつしま ゆか)さん。
いずれ世の中にどんどん影響を与えていくようになることは間違いないと思うので、つまりこのインタビューは、ひょっとすると彼女が有名人になっちゃう直前の貴重なインタビュー記事になるかも。
子どもの教育について一家言を持つ松嶋さん。明快で、説得力のある考え方、指導法には強く心を動かされます。
だけど、いったい全体この人はどうやって、いまの「書きまくるゆか先生」になったのか!?
根掘り葉掘り聞くうちに1時間半の予定だったインタビューは、なんと4時間に及ぶロングインタビューに…。(その日の感想はこちら
それもそのはず、子どもの頃から、とにかくまあ「変化」の連続の人生。
大学卒業後もハードロックミュージシャンから専業主婦を経つつ、教育者へと転進。
そしていま、さらにその先へ。
全11回の予定で毎日お届けします。ぜひ、お楽しみに。

第1話「強い女の子になろう!」

さんぽ屋:さてと、ごはんも食べたことだし。じゃあ半生、語りますか(笑)

松嶋:語りますか(笑)

さんぽ屋:子ども時代から聞いていきますね。とりあえず、ごきょうだいは?

松嶋:2つ下の妹との、ふたり姉妹。北海道で生まれました。どんな子だったのかなぁ…。すごくおとなしくて、かしこい子だった。

さんぽ屋:え! おとなしい子だったの!?

松嶋:そうそう。おとなしくてかしこかったので、みんながほめてくれて、「生まれた子どもの名前、有香ちゃんからもらっていい?」なんて話もあったみたいです。

さんぽ屋:地元では評判の子だったんだ…。

松嶋:地元って言ってもね、製紙会社の大きな団地みたいな社宅。32棟あったんですよ。それが全部、製紙会社の社宅で、その中に社員の家族のための幼稚園や診療所、スーパー、飲み屋まであるの。

さんぽ屋:飲み屋まで?

松嶋:飲み屋まで(笑) その中で育ったんだけど、父親は単身赴任が多かったんですよ。しかも海外なんです。ブラジルとかパプアニューギニアとか。だから父親はあんまり家にいなくて、母と妹と3人で暮らしてた感じですね。

さんぽ屋:おとなしかったってことは、運動とか外で遊ぶのは?

松嶋:やらない。母も外遊びさせるのが嫌いだったので。手が汚れたりするのが嫌だったみたい。

さんぽ屋:へーー。

松嶋:家の中で本を読んだり、レコードを聴いたり、絵を描いたり。

さんぽ屋:それは、いくつぐらいの頃?

松嶋:小学校4年生ぐらいまでインドア派でした。

さんぽ屋:すっごい意外! だって若かりし頃は、ハードロックのミュージシャンだったんでしょ? そういう時代があるんだ。

松嶋:父がいない影響が大きかったんだと思うな。私がしっかりしないといけないって思って、だんだんしっかりしてきたんだと思う。
でもその後、東京に引っ越したんですよ。それが、うまくいかず、友だちもなかなかできなくて。小学校3年生から6年生まで東京だったんですけど。ほんとに「暗黒の時代」。全然うまくいかなくて…。

さんぽ屋:「暗黒の時代」があるんだ…。

松嶋:妹は社交的で、転校当日に友だちを家に連れて帰ってくるような子だったんだけど、私はちっともうまくいかなくて友だちもできず、家と学校を往復するだけ。でも、勉強はできたんです(笑)

さんぽ屋:ぜんぜん自慢に聞こえないから大丈夫(笑)

松嶋:結局、いじめられるようになって。勉強はできたから先生が味方してくれるんだけど、それをえこひいきに感じる友だちがまた許せなくて私をいじめる…っていう構図ですね。
その後、助けてくれない先生が担任になった時に、「ほんとにヤバイ」と思ったんですけど、人には言えないくらいキツイことをいろいろ体験して…。
「もう学校ヤダ!」って思った時に、転勤が決まったんですね。静岡に行くことになったんです。6年生の春ですね。

さんぽ屋:静岡で育ったって聞いていたけど、静岡はそこから?

松嶋:そうそう。ほんとにね、よく死ななかったなってぐらいひどいいじめを受けてたの。6年生になって、そのいじめる子と同じクラスになってしまって、「もう学校ヤダ!」って思ったんですけど。その時に父がね、「こんど静岡にいくぞ」って言い出したの。

さんぽ屋:お父さん、知ってたの?

松嶋:知らないです。私、家族には言わなかったんですよ。父親としてはその時、「また転校させてしまう。申し訳ない」みたいな感じだったんですけど、私は、この状況から離れられるんだったら何でもいいと思ったんで、すごくうれしくて…。
その時、11歳ですよ。一大決心をしまして。「性格を変えるぞ!」って。

さんぽ屋:決心したんだ…。

松嶋:決心しましたねぇ。生きるか死ぬかだったら、子どもでも決心するんですね。

さんぽ屋:はーーー。性格を変える…。

松嶋:そう。性格を変えないと、向こうでもいじめられちゃうぞって思って。強い女の子になろう!

さんぽ屋:強い性格、そこからなの?

松嶋:そこからです!

さんぽ屋:引っ越しは、キャラを変えるのはやりやすいだろうね。

松嶋:そう! 誰も知らないから!
そして、私のことをよくいじめてた子をモデルにしたの。あーゆー子になれば、いじめられない。

さんぽ屋:だけど、そいつ、イヤなヤツじゃん。

松嶋:イヤなヤツっていうか、当時の私にとっては、いじめられなければ何でも良かったんですよ。自分の意見をハッキリ言って、「でしょ!」って強く言っちゃう子になろうと思ったの。そこらへんに、私の秘密があるのかもしれない、って自分では思う。

さんぽ屋:あぁ…。僕の「なんでいつも堂々と自信をもって言えるんだろう?」っていう疑問の答はそんなところから…。僕の推測は、それを言えるだけのバックボーンがあるから言えるんだろうと考えていたので、そのバックボーンを聞きいてみたいなって思ってインタビューをお願いしたんだけど。根源的には、そこなんだ。それが小学校6年生。

松嶋:11歳。

さんぽ屋:そしたら、化けられたんですか?

(つづく)

僕の知ってる松嶋さんは、頭がキレて、ハッキリ物申す、意思のとても強い女性。それは実は、後天的なものだったんですね。
しかも、ツライ「暗黒時代」から脱するための「変身」。
性格を変えよう! 強い女の子になろう! そんな堅い決心のもと、11歳の彼女は引越し先の静岡の地でどんな学校生活を歩んでいくことになるのか?
ってか、性格って、そんな簡単に変えられるのか???
さーて、この先、彼女はどうなっていくのでしょう?
第2話

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