文章力養成コーチ・松嶋有香さん 第2話「ここで負けちゃいけない」

001 松嶋有香さん 文章力養成コーチ・文章コンサルタント あっちだ!って、光が見えてきた。 新連載 「ちまたのスゴイひと。」

「この人、ほんとスゴイな!」っていう人、いますよね。有名無名にかぎらず。
僕が運良く出会うことができた、そんな「ちまたのスゴイひと」に、
「どーしてまた、そんなふうになったのですか?」と聞きまくってみる企画。
「こんな生き方もあるのかー!」なんてヒントになったら、とてもうれしいです。

あっちだ!っていう光が見えてきた。


001 松嶋有香 さん

文章力養成コーチ・文章コンサルタント
プロフィール
プロローグのようなもの
第1話

第2話「ここで負けちゃいけない」

引越しで、静岡の小学校へと転校することになった松嶋さん。
いじめにあっていたことから、この転校を機に、それまでのおとなしいキャラを変えて「強い女の子になる!」と決心した彼女。
その登校初日。彼女はいきなり、やってくれちゃうわけです。すごいです。

さんぽ屋:転校した初日なんだけど。クラスでの自己紹介はどうしたの?まずは、そこからでしょ?

松嶋:とにかく強く出ようということで、東京は強みになるなと思ったの。
でも、唯一仲の良かった友だちが、「静岡は方言がちょっと強いから、それをバカにしたら嫌われちゃうよ」って教えてくれて。
じゃあ、それだけはやめよう! 方言を早く覚えて、仲間に入りつつ、下から入るんじゃなくて、上から行こうと思って。

さんぽ屋:なんかリスキーな気がするけど。

松嶋:「東京から来ました!」

さんぽ屋:「東京から来ました」って言ったことで、いじめられるっていう漫画をよく見ますけど(笑)

松嶋:いけると思ったんですよ。「東京から来ました!」で。
しっかり大きい声で自己紹介して、「これから友だちをたくさん作りたいと思います! どうぞよろしく!!」ってハキハキ言ったの。
で、先生にクラスの班に入れてもらったんだけど、その班の男の子と女の子がクラスのわりと中心人物たちだったの。
もう即、「友だちになっちゃえ!」って思って、結局その女の子とは大親友になるんだけど。

さんぽ屋:なるんだ、今度は。

松嶋:なったですねー。ほんとに仲良くなって。その子はピアノの先生の娘さんだったからピアノをやってて、私もピアノをやってたから、すぐ仲良くなれたのね。
そうそう、その初日のことなんだけど。
「スキを見せない!」と思ってたのに、休み時間にトイレに行ってクラスに戻ったらクラスに誰もいなかったの! 次が音楽の授業だったから教室を移動したらしいんだけど。
転校初日ですよ。まいったなーと思って。でも、ここで負けちゃいけない。これは、いじめじゃなくて、伝達ミスに違いないと思って。泣いたり騒いだりせずに、私は教室で1人で1時間、読書をしたんですよ。
みんなが戻ってきて、「どうしたの? なんで音楽、来なかったの?」って言うから「音楽だったんだ。わからないから本、読んでた」って言ってみたの。
そしたら「おーすげー! さぼった。この子、転校初日に授業さぼった!!」ってザワザワして、ちょっと悪い方からいけたかなと思って(笑)

さんぽ屋:そのへんはもう、いじめられっ子というより、やんちゃ坊主、いたずらっ子な感じのゆかさん全開だね。
いまのゆかさんぽいんだけど、その日一日で、ガラッと変わっちゃえてるってすごいよね。
それは、人の強みを診断する「ストレングスファインダー」の資質で、ゆかさんが持っているという「戦略性」が働いたの?

松嶋:これはいけるな、と思って。カンが働いたの。

さんぽ屋:それにしても、誰も呼びに来なかったの?

松嶋:うん、先生も。それはね、いま思うと静岡っぽいんですよ。
誰かいなくても、あんまり気にしない。時間守らなくても、場所が違っても、あんまり気にしない(笑) 学校だとヤバイと思うんですけどね(笑)

さんぽ屋:まあ、静岡はおだやかな県民性らしいからね(笑)

松嶋:でも、担任の先生には怒られて、「迷った時は職員室に来なさい」って。「でも東京では自分のクラスでやったんです!」って言い張った(笑)
それで、これはいける!と思った私はですね、学校帰りにも…。

さんぽ屋:まだあるの?

松嶋:その小学校の門を出ると、学校をはさんで2軒駄菓子屋さんがあるんですよ。文房具も売ってるんだけど、でも駄菓子屋さんなの。そこは帰りには寄っちゃいけない。もし買いたいものがあったら、一度、家に帰ってランドセルを置いてから行かなくてはいけない。
でも、そんな環境が珍しかったから、ちょっとのぞいて見たかったんですよね。で、のぞいてみたら欲しくなっちゃった。お金も持ってたから、お菓子を買ったんですよ。

さんぽ屋:お菓子を買ったの? 文房具でもなく(笑)

松嶋:そうそうそう。そしたら、「この子は転校初日に校則を破った!」ってなって。それで有名になった(笑)
次の日に職員室に呼ばれて、「東京ではどうだったか知らないけれど、静岡では帰りにお店に寄っちゃいけません」って注意されました。「先生がちゃんと説明しなかったのが悪かったわ」って言ってくれたけど(笑)
でも、それで2つハクがついて、もう誰も私のこと、いじめないと思ったんですよ(笑)

さんぽ屋:へーーーーー!

松嶋:ところがですね、まだ話はあって。

さんぽ屋:え、まだあるの?

松嶋:東京の時にいじめっこの中心人物だった子のいとこの子が、なんと、その学校にいたんですよ。

さんぽ屋:すごい偶然だね…。

(つづく)

おそるべし、少女・松嶋有香。11歳の「性格を変える!」という決意は、見事に果たされ、転校1日目にして大変身! しかも、おとなしい子から、ちょい悪キャラへ。
しかし、ドラマはまだ続くんですよねー。ドラマじゃないけど(笑)
彼女の「暗黒時代」の過去を知るヤツが登場。さて、どーなる? どーする?
続きは、第3話で!

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