文章力養成コーチ・松嶋有香さん 第5話「カッコイイ! 明日からギターやる!!」

文章力養成コーチ・松嶋有香さん

あっちだ!っていう光が見えてきた。


001 松嶋有香 さん

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第5話 「カッコイイ! 明日からギターやる!!」

大学受験の共通一次試験で、まぐれの高得点?を上げたことで、二時試験の勉強をグワーッとやって、念願の静岡大学に首尾よく合格しちゃう松嶋さん。
大学に入り、もちろんバンドを組むわけですが、ある日、衝撃の出会いが…。

松嶋:大学では心理学を勉強したくて。静岡大学に心理学があるのはわかってたけど、入試のレベルが高くてあきらめてたのに、すんなり受かっちゃったの(笑)

さんぽ屋:でもさ、そもそも、なんで心理学を勉強したいと思ったの? それまでの経緯から言ったら、そんなジャンルって出てこないじゃん。

松嶋:なんか占いみたいで面白いなと思ったの。統計でしょ。統計で人のことがわかるのってすごいなと思って。

さんぽ屋:人のことが知りたかったの?

松嶋:そうですね、人に興味がありましたね。

さんぽ屋:それは何かきっかけがあるの? あの「暗黒時代」とかに関係してるのかな?

松嶋:うーん、関係してるのかも知れないですよね。人を知りたい、人の心をもっと勉強したいと思ったんですね。

さんぽ屋:そうか、やっぱり「人」じゃないんだ。心理というか、「心」が知りたかったのかもね。
それはいつぐらいから? 大学受験に当たって、何を勉強しようか考えているうちに、そこに行き着いたの?

松嶋:そうです。それで、無事受かったのはいいけど、なに、ここ教育学部じゃん!って(笑)

さんぽ屋:(笑)

松嶋:年間スケジュールの4年生のところを見たら、4年生って6週間も教育実習!? なにこれ??みたいな(笑)

さんぽ屋:でもさ、心理学科だから、それまでは心理学だけ勉強してるんじゃないの? 教育のことも一緒に勉強しなきゃいけないの?

松嶋:そりゃそうですよ。教員養成課程なので、科目が算数・国語・理科・社会・図工・家庭科とか、そういう講義名が付いてるんですよ。
それを全部やりながら、3年生から専門分野で心理学全般と教育心理学。発達心理学とか、発達段階に応じた生徒の心の変わり具合とか保護者や教育関係者の関わり具合とか…。

さんぽ屋:そっか、心理学と言っても、そういう勉強をしてるんだ。親のことも含めて、そういう心理学を大学で勉強してたっていうことね?

松嶋:そうですね。いろんな心理学を。物理的な心理学とかね。なぜ楽しい時間は早く過ぎるのかとか。あと犯罪心理学とか、そういうのも全部勉強してる。

さんぽ屋:ああ、それがいまの教育の仕事につながってるんだ。

松嶋:つながってます。

さんぽ屋:親の気持ちとかまでわかるってことでしょ?

松嶋:そう。とくに教材を作る上では、子どもの発達心理学はすごく勉強になりましたね。

さんぽ屋:それで、サークル活動のほうは?

松嶋:サークル活動は、バンドをやるって決めてたから、入学した時に見学に行った中で一番良かったところに入りました。キーボードで入って、2年生までキーボードばっかり。だんだん極まって、歌謡曲は卒業して、フュージョンとかそういう世界。

さんぽ屋:そっちに行くんだ。

松嶋:シャカタクとか高中正義とか、カシオペアとか、スクェアとか、ああいうところ。ボーカル無しのところね。

さんぽ屋:え? じゃあ、今もやってるハードロックじゃないんだ!

松嶋:そうなんですよ。

さんぽ屋:ボーカルも無いんだ。

松嶋:ボーカルなんかいらないと思ってたから(笑)

さんぽ屋:それは、ある種スノビッシュというか、ちょっとカッコつけてますよね(笑)

松嶋:うん、そう。技術、技術のほうに行っちゃったの。バンドのメンバーと16の裏を合わせるみたいな。このコードで展開していこうとか、そういう技術の方に一生懸命になっちゃったの。お互いテクニック自慢みたいな。

さんぽ屋:そっち系なんだ。

松嶋:そして、ある日の夜。バンドの友達、サークルの友達とで「イレブンPM」っていうTV番組を見ていたら、SHOW-YA(ショーヤ)が突然テレビに登場。ロンドンでライブをしたっていうニュースだったんですよ。それを見て、目からウロコじゃないけど、こんなカッコイイ音楽あるんだ!と思って。

さんぽ屋:へーー。

松嶋:ハードロックは、うっすら知ってはいたんだけど、あんまり気に留めてなかったから。でもSHOW-YAのギタリストの五十嵐美貴さんに一目惚れ。「なにこの人、カッコイイ! 明日からギターやる!!」って言ったら、そばにいた男の子が「使ってないギターがあるから3万円で売るよ」って言ってくれて。いま考えると、もっと安いだろっていうギターでボッタクリなんですけど(笑) その場で買って、「他に必要なものはなんなの?」って聞いて、キーボードのパーツを売りながら、ギターのパーツと総とっかえ。そこから、ずっとギターです。

さんぽ屋:それは、大学の何年?

松嶋:2年生の途中。

さんぽ屋:そこからギターで、ハードロックになるんだ。

松嶋:そう。もう夢中で、大学にもあんまり行かなくなっちゃって、ギターばっかり弾いてた。

さんぽ屋:そういう人って、そういうもんなんだ。そこから、ミュージシャンを目指していくわけ?

松嶋:そうなんですよ、血迷っちゃて。ただ、教育実習には行きました。卒業できなくなっちゃうんで。でも、子どもは好きだったから手は抜きませんでした。

さんぽ屋:勉強も手は抜かなかったんでしょ?

松嶋:うーん、勉強は手を抜いてたかな(笑) ただ相手が子どもだとね、手は全然抜かなかった。教育実習って任されるので。受け持ったのが、小学1年生のすごく大事な時期の5月だったし。

さんぽ屋:教育実習は1年生だったんだ。

松嶋:1年生だったんですよ。その大事な時期を任されたので、しっかりしなくちゃと思って、それは一生懸命にやった。ほんとに一生懸命やったわ、あれは。

さんぽ屋:それで、大学は無事に卒業したんだよね。で、東京に出て来るの?

松嶋:大学4年生の時は、みんなが就職とか教員免許を取るのに一生懸命な時期に就職活動もせず、教員採用試験も受けず。教員免許自体は私も取ったんだけど。みんなが採用試験を受けてる時に、私はギターを一生懸命練習してた。

さんぽ屋:絶対にミュージシャンになると…。

松嶋:そう。父親に「東京に出させてください、お願いします」って頭を下げて。で、東京に出てきたんですけど、そんな静岡の田舎の子がぽっと出てきてもバンドなんかないんですよね。あると思ってた。うまくいくと思ってたんですよ。

さんぽ屋:どっかで知り合えばバンドに入れると…。

松嶋:東京にも友達はいたので、そのツテのツテぐらいで、なんとかバンドを組めるんじゃないかと思ったんですけど、全然組めなくって。
その頃、ギターの雑誌に、バンドメンバー募集みたいのが掲示板みたいなのに載っけられて。「当方、女ギタリスト、22歳。ハードロックやりたし」って書いて、住所も電話番号もまるまる載せちゃうやつ。

さんぽ屋:それを雑誌に載せてたっていうこと?

松嶋:雑誌に載せてたんですよ。自分でも載せたし、「女性ギタリスト募集」って書いてないかなって、毎月雑誌買ってきては血まなこになって探して。
実はあとで運命的な出会いがあるんですけど、その前に友達の友達で組んだバンドに入ってしまって。そこでは何回かライブをやったんですけど、コピーバンドだったんですね。友達がバンドを組んでたんで入れてもらうって感じでやったんですけど、そういう感じだとうまくいかなくて。しかもコピーバンドだしね。

さんぽ屋:そのバンド探しは、バイトしながらやってるの?

松嶋:そうです。

さんぽ屋:それは、いつぐらいなんですか? 夏ぐらい?

松嶋:ん?

さんぽ屋:だって、春から東京に行ったわけでしょ?

松嶋:いやいや、もっと長い。それで2年ぐらい経っちゃった感じ。

さんぽ屋:え! その間はいろんなとこを放浪してるの?

松嶋:そうです。

さんぽ屋:それまでは決まったバンドが無いってこと?

松嶋:ふらふらしてましたね。

さんぽ屋:2年だよ!?

松嶋:2年ですね。

さんぽ屋:そんなに、その状況が続くの? 放浪してるってこと?

松嶋:うん。そう、放浪してた。バンド探しの旅。

さんぽ屋:へー!! そんなに大変なんだ。

松嶋:そして、あるバンドが「女ギター募集」って書いてたの。電話して会うことになって、そこに入ることになって。そこから、ようやく本格的な活動が始まったんです。

さんぽ屋:そこはハマったというか、ちゃんと合ったんだ。

松嶋:ちゃんと合った。

さんぽ屋:ふー。このへんで1回休憩しますか?

松嶋:大丈夫ですよ。でも、このお店は出たほうがいい?

さんぽ屋:ってか、僕が休憩したい(笑)

松嶋:じゃあ珈琲でも飲みに行きますか(笑)

(つづく)

ここまでで、もう2時間以上は話を聞いていました。
夢中で聞いてりゃ、ちょっとはくたびれますって(笑)
さて、運命のバンドと出会うことができて、どーなっていくのか?
今度こそ、うまくいく??
第6話

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