「ちまたのスゴイひと。」
あっちだ!っていう光が見えてきた。
001 松嶋有香 さん
文章力養成コーチ・文章コンサルタント
プロフィール
プロローグのようなもの
第1話 第2話
第3話 「ちょっとコレ、楽しいかも!!」
「チョイ悪少女」に見事に変身を遂げたかに思われたNEWゆか。
しかし、そんな彼女の「過去」を知る男が登場…。
どーする、少女・ゆか!?
というところから本日はスタートです。さて、彼女はどーしたのか?
松嶋:前の学校でいじめっこだった子と、そのいとこの子が電話だか手紙だかやり取りしたみたいで、転校して何日かたったところで、その子が私を牽制しに来たんですよ。
「おまえさあ、あっちの学校で◯◯ってヤツいただろ」って、すごく上から言ってきて。「あいつ、オレのいとこなんだぜ」って。
まるで、あっちの学校で何があったかオレは知ってるんだぜ、みたいな顔をして言ってきたの。だから、言ったの。
「へー、そうなんだ。あのバカといとこなんだ。アンタもバカなの?」
さんぽ屋:いいねー!!!(笑)
松嶋:そしたらシュンってなっちゃって。言い負かしたー!!と思って。この子さえ何も言わなければ、過去の私はバレない。ここは押さえるべきところだなと思って。頭だけは良かったんで、ずる賢かった(笑)
さんぽ屋:でも、よく変われたね。それだけ必死ってことか…。
松嶋:必死でしたねぇ。どうせ、すぐに中学生になっちゃうんですけど。
さんぽ屋:でも、そこでちゃんと友達が作れたんだ。
松嶋: そうですね、友達はほしかったので。虚勢をはらなくても、普通にできたんだけど。親友になったヒロエちゃんていう子がいい子でね。すごく親切で、優しくて、いろいろ教えてくれて。転校したクラスの班で一緒になった子は、みんな名前覚えてる。ヒロエちゃん、ユウコちゃん、モトキくん、ナオキくん、ヒグチくん、バンナイくん。そこに私が入ったの。
さんぽ屋:班で友だちもできて。そこで脱皮してるんだ。
松嶋:脱皮ですね。その力強いまま。
さんぽ屋:それで、中学は?
松嶋:中学は、多少、暴れキャラ。不良まではいかないけど。先生に目をつけられるタイプではあるけれど、生徒会の役員。そういのは両方ちゃんとやろうと思ったんですよね。
さんぽ屋:勉強はあいかわらずできるんでしょ?
松嶋:勉強はできましたね。っていうか小中って、ちゃんとやればできるじゃない(笑)。外遊びが好きじゃなかったんで。
さんぽ屋:外遊び嫌いも、あいかわらず?
松嶋:勉強が好きだった(笑)
さんぽ屋:あ、そうか。だから今でも外遊びは好きじゃないんだ。じゃあ、音楽は?
松嶋:静岡って、中学2年生でギターが必修なんですよ。
さんぽ屋:へーー!
松嶋:ヤマハのギターをみんな買わされるんですけど。
さんぽ屋:あ、そっか!
松嶋:そうです、ヤマハと河合楽器の街です(笑)
さんぽ屋:そうですね。うんうん(笑)
松嶋:その時に、クラッシックですけどギターを始めて。実は父がフォークギターをやっていたので、ギターって面白いなとは思ってたんですけど。小さい頃からずっとピアノをやってたので、ピアノの先生がギターをやると爪の形が悪くなるし、指も痛くなるからやめてくださいって言ったんですよ。
で、中学校2年生の時の音楽の授業で、「少人数のグループを作って、バンドでも合唱でも何でもいいので発表をしなさい」っていう課題があったのね。それで、その時に、ある男の子がディープ・パープルの「スモーク・オン・ザ・ウォーター」を演ろうって言い出して。
さんぽ屋:はいはいはい。音楽にうとい僕でも知ってる名曲ね(笑)
松嶋:それで、私はずっとピアノやってたから。キーボードでもやればいいのかなと思ってたら、その男の子が「キーボードには◯◯ちゃんという子を誘ってほしい」って。
さんぽ屋:あーー(笑)
松嶋:結局、その子は◯◯ちゃんと組みたくって、◯◯ちゃんと仲よくしている私を誘ったの。
さんぽ屋:いい話だ!青春だ!サイコーだ!!(笑)
松嶋:で、まあいいか、ってなって。じゃあキューピッドになりましょうということで、◯◯ちゃんに声をかけてキーボードをやってもらって。で初めて、私はエレキギターに触ったの。
さんぽ屋:そうなんだ…。ピアノの先生に止められてたのに(笑)
松嶋:そうそう(笑)
さんぽ屋:それで?
松嶋:人前で「スモーク・オン・ザ・ウォーター」を演奏したその時、「ちょっとコレ、楽しいかも!」って思って。目立ちたがり屋だったから…。
さんぽ屋:あ、その時はもう目立ちたがり屋に変わってるのね(笑)
松嶋:だんだん、なってきてましたね。生徒会で、生徒の前で話すのが好きだったりしたし。
さんぽ屋:変わりましたねー。だって、それまではそういうタイプじゃないでしょ?
松嶋:おとなしかったからね。でも、自己表現は好きで、たとえば放送委員会に入って、給食の時間に本の朗読をしたり。そういうのは好きで。
そして、ギターが弾けることがわかったんで、バンドを組みたいと思って。
さんぽ屋:そうなんだ。
松嶋:その時、松田聖子ちゃんとかが流行ってたので、高校1年生になった時にバンドを組もうと思って声をかけたら、7人ぐらい女の子が集まって。
さんぽ屋:ガールズバンドだったんだ。
松嶋:ガールズバンドだったの。ガールズバンドにしたかったのは、男の子ってめんどくさくて。「あの子、誘って」とか言うからさ(笑)
さんぽ屋:そりゃまーねー(笑)
松嶋:そういう恋愛感情が入るとバンド活動をやっていける、いけないの話になっちゃうんで、もう女の子だけでやろうって言って。
さんぽ屋:その時はリーダーとして?
松嶋:そうですね。女子高生バンドだからメッチャ需要があって。
さんぽ屋:当時は珍しいだろうね。
松嶋:そう、いないんですよ。地元の楽器屋さんの話だと、静岡初。そのお店の人がブッキングしてくれて、ライブバーとかで演ってた。
さんぽ屋:え? ライブバーで??
松嶋:未成年だし、バイトして良かったのかもわからないけど。おこづかいにはなるんで、演奏してくれって言われたら演ってた(笑)
でもね、あい変わらずギターは弾かせてもらえなくて、キーボードだったんですね。ただキーボードは好きだったんで、演奏で稼いだお金でキーボードの機材をどんどん買い足してた。そして、大学の時にサークルに入った時もキーボードでした。
さんぽ屋:僕はギタリストのゆかさんしか知らないけど、大学に入ってからもキーボードなんだ。あれ? ここらへんずっと音楽遍歴の話になってるね(笑)
松嶋:そうそうそう(笑)
(つづく)
音楽少女へと走り出したNEWゆかは、ガールズバンドを結成!
さあ、ここからどこへ行っちまうんだい、ベイビー(笑)